Boheme wrap top (mocha) & Boheme lounge pants (ethnic)
湘南生まれ、湘南育ち。
海のそばで育った彼女は、今、北海道でパートナーと二匹の犬と暮らしながら、庭の小さな畑を耕して生活している。
朝起きて、犬たちと外へ出る。
波があれば海へ向かい、雪が降れば雪山へ向かう。
自然の流れに身を任せながら、その時々の季節を楽しむように暮らしている姿が印象的だ。
サーフボードも、様々なサイズの板まで軽やかに乗りこなし、スケートボードもストリート、ランプ、サーフスケートと、ジャンルに縛られることなく自分のスタイルに落とし込んでいく。
彼女から漂う空気は、洗練されていて、どこか海外のカルチャーを感じさせる自由さがある。
肩の力が抜けているのに、なぜか目を惹く。
そんなリナに興味が湧いた。
ずば抜けたセンスの良さはもちろん、それ以上に気になったのは、その感覚がどこから生まれているのかということだった。
今回、その背景にある彼女の“軸”を辿ってみることにした。

『軸となったライフスタイル』
「湘南で生まれ育ったから、海が遊び場だったんだよね。」
コーヒーを片手に、リナはゆっくりと話し始めた。
Boheme wrap top (mocha) & Boheme lounge pants (ethnic)
「小さい頃から、週末は必ず家族と従姉妹家族で海に行ってたの。
海で過ごすのが当たり前だったから、サーフィンも自然と始めてたかな。」
“海で過ごす週末が当たり前。”
その言葉を聞いた時、彼女のライフスタイルの根っこにあるものが見えた気がした。
サーフィンは、特別なスポーツではなく、生活の延長線上にあるもの。
その感覚そのものが、彼女の価値観を形作っていた。


「まあでも、shop my crewとの出会いが、自分とサーフィンの繋がりを深めてくれたと思う。」
shop my crew
ショップマイクルーは、辻堂西海岸にある小さなサーフショップ。
たくさんのローカルサーファーが”ホーム”のように戻ってくる場所。
海に入る前。
海から上がった後。
自然と人が集まり、会話が生まれる。
リナにとっても、そこは日常の一部だった。
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「わたしが6歳まで通ってたダンススタジオの、すぐ隣にshop my crewがあった。」
そう言って、彼女は懐かしそうに笑う。
「その頃、shop my crewって駄菓子を売ってて。
ダンスのレッスン中に抜け出して、駄菓子を買いに行くのがルーティンだったんだ笑」
「だから最初は、サーフショップじゃなくて駄菓子屋さんだと思ってたんだよね笑」
オーナーも当時を振り返りながら、「またレッスンを抜け出して来てるな〜って思ってた」と笑っていたそうだ。
そんなふうに、遊び場のように通っていた場所が、いつの間にか“帰る場所”になっていった。
本格的にサーフィンを始めてからも、そこへ行けばいつもの人たちがいる。
特別な言葉がなくても、自然と受け入れてくれる空気。
その存在が、リナのサーフィンライフを支えてきた。
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『サーファーとしての転換期』
Boheme wrap top (mocha) & Boheme lounge pants (ethnic)
10歳になる頃には、彼女は本格的にサーフィンへ打ち込むようになっていた。
従姉妹もまた、プロサーファーを目指す存在だった。
試合に向けて練習し、遠征へ行き、大会に出場する。
気づけば、“遊び”だったサーフィンは、“勝つため”のサーフィンへと変わっていった。
けれど、その生活は少しずつ、彼女を自由から遠ざけていった。
「13歳の時に、“海外でサーフィンしたい”って思って、叔父さんが住んでたフィリピンに行ったの。」
プロを目指すうえで必要な環境を求め、彼女が選んだのはフィリピンだった。

それから毎年のように現地へ通い、その土地の空気や人々との時間に惹かれていく。
「フィリピンのサーフカルチャーって、湘南とちょっと似てたんだよね。
みんな、海で過ごすことが生活の一部だった。」
朝起きて海に入り、学校が終わればまた海へ向かう。
そこには、“練習”というより、“遊び”としてのサーフィンがあった。
「その時にハッとしたんだよね。
“あ、サーフィンって本来こういうものだったな”って。」
彼女の中で、サーフィンの在り方が変わったというより、“戻っていった”感覚だったのかもしれない。
「プロサーファーになりたくてずっと頑張ってたけど、15歳くらいの時に、“そもそも何のためにプロになりたいんだろう”って考えるようになった。」
フィリピンで出会った自由なサーフカルチャーは、リナに“サーフィンの本質”を思い出させた。
「試合が全てじゃない。楽しむことが、サーフィンだって。」
その気づきは、彼女の人生の方向を少しずつ変えていった。
勝つためではなく、もっと自由に。もっと自分らしく。
その頃から彼女の思考は、旅をしながら波に乗り、その土地のカルチャーに触れながら生きていく方へと向かっていった。

『自由を選ぶということ』
勝つためのサーフィンをやめた時、リナの中で何かが解けた。
「プロになることを手放してから、逆にサーフィンがもっと好きになったかな。」
そう言う彼女の表情は静かだった。
目標を失ったわけじゃない。ただ、目指す方向が変わった。
波に乗ることそのものが、もう一度、純粋に楽しいと思えるようになったという。
その感覚は、やがて海の外へも広がっていった。
スケートボード、スノーボード、畑、雪。
海で育った身体の感覚が、あらゆる場所での遊び方につながっていく。
ジャンルを選ぶのではなく、その日の自然と自分の気分に従う。それがリナのスタイルになった。
Boheme wrap top (mocha) & Boheme lounge pants (ethnic)
湘南を離れることを決めたのは、自然な流れだったと彼女は言う。
「北海道に来たのは、パートナーの存在が大きかったけど、もともと雪山にも惹かれてたんだよね。
自由に、大自然の中で、気ままに暮らしたいなって気持ちが芽生えた時には、2人で北海道に移住してた。家も探さないまま、向かったよね笑」
海の人間が雪山へ。
一見すると真逆のようだけれど、リナにとってそこに矛盾はなかった。
「免許もなかったし、どう生活していくかは、当時分からなかったけど、そこにいるだけで良かったんだよね笑 結局なんとかなったし笑」
北海道に魅了された彼女は、出来ないことを考えることよりまず、自分自身がどこにいたいか、気持ちを優先したという。
「住みたいから、住む。それだけ。」
彼女はいつだって、「どんな場所で、誰と、どんな時間を生きたいか」を選んでいるように見えた。


今は、パートナーと二匹の犬と、小さな畑のある家で暮らしている。
朝、犬たちと外へ出る。波があれば海へ。雪があれば山へ。
その日の自然が、一日の行き先を決める。
「スケジュールに縛られた生活より、その日の空気に合わせて動く方が、なんか自分らしいなって。北海道にいると、勝手にそうなっていく。」
北海道での暮らしは、彼女にさらに自然の大きさを教えた。
「自然が大きいからこそ、物理的に不可能なことが日常的に起こったり、だからその日の空気に合わせることって大事だと思う。」
肩の力が抜けているのに、なぜか目を惹く。
最初にそう感じた理由が、少し分かった気がした。
彼女はずっと、自分の“心地よさ”を裏切らずに生きてきたのだ。

“センスがいい人” という言葉は簡単に使われる。
でもリナを見ていると、センスとは才能じゃなくて、選び続けてきたものの積み重ねなんだと気づく。
勝つためじゃなく、楽しむために。
型に収まるためじゃなく、自分が気持ちいいと思える方へ。
その小さな選択を、ずっと手放さなかった。
特別な何かをやってきたわけじゃない。ただ、自分の感覚を信じることを、やめなかっただけ。
そのことが、今の彼女の生き方そのものになっている。
最後に、リナはこう話してくれた。
「人それぞれだから。
もし自分らしさを失っちゃうくらいなら、リナは自分らしくいられる方法を探すかな。」
そう話す彼女の言葉は、とてもシンプルだ。
でもきっと、自分の“楽しさ”をちゃんと選び続けることは、簡単なようで難しい。
だからこそ、彼女の生き方は、こんなにも軽やかで、眩しく見えるのかもしれない。
あなたが“楽しい”と感じるものの中に、
きっと、あなた自身の軸がある。
リナの選択が、そう教えてくれた。

Rina
湘南生まれ湘南育ち。幼い頃からサーフィンを中心にスケートボードやスノーボードなど様々なボードカルチャーの中で育つ。
オルタナティブボードを乗りこなすスタイルでも知られ、The Surfskaters 16 Girls Divisionでは優勝を果たす。現在は北海道を拠点に移し、サーフィンやスノーボードをフリースタイルで楽しみながら自然と共存したライフスタイルを送る。
