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福岡県出身、湘南在住のMasako Endo (マーサ)。フィリピンと日本の両国にルーツを持ち、16歳で芸能活動をスタートさせ19歳で東京に移住し、早くも本格的にモデルとしてのキャリアを積み始めた。今ではInstagramのフォロワー数は12万人を超え、モデルやインフルエンサーとして幅広く活動中。最近は、パートナーと一緒にチャイ屋を始めて、旅先やマーケットに出店しているんだとか。そんな新しい挑戦を通じて、たくさんの人に癒しを届けているのも大きな魅力。さらに、一児の母として愛する家族との生活も大切にしていて、その自然体なライフスタイルが多くの人を惹きつけている。

(Organic cotton basic bra / ivory sizeM)

今回は、そんなマーサの日常や仕事への思いをたっぷり聞いてきた。
湘南の静かな街にある彼女のお家にお邪魔し、撮影を行った。庭の椿の木が満開で、春の暖かな雰囲気が広がる中、親子の撮影が進んでいった。その光景は、見ているだけで心が温かくなるような、優しいひとときだった。

「変化はあるべくして起こるもの」
(Organic cotton basic bra&shorts / tan sizeM)

長い間モデル業界で活動していたマーサ。数年前と比べ、最近の活動には大きな変化があることに気づく人も多いだろう。そんな彼女のライフスタイルについて詳しく話を聞いていると、自然とこんなフレーズが口をついて出た。

「変化はあるべくして起こるもの。」

誰でも表現者になれる時代。”あるべき姿”という固定概念は次第に薄れ、”モデルはモデルのお仕事をする”といった枠に縛られることもなくなってきている。
そんな時代の変化を彼女自身、肌で感じていたそう。

(Organic cotton basic bra / ivory sizeM)

「当時は事務所に入ってモデルのお仕事をしていたんだけど、今は退職して自由に活動を続けているの。業界にこだわらず変化に身を任せていたら、今では様々なジャンルのお仕事が舞い込むようになった。それに、変化に対してあまり抵抗はなかったかな。それが今の私だし、時代。」

どんな変化が訪れても、流れに逆らわずに受け入れること。それはそう簡単なことではない。起こる全てのことに意味があるというマインドは、まさに彼女のライフスタイルそのものだと感じた。

「結婚したことも、子どもができるタイミングも計画はしていなかったけど、結果的に全てがパーフェクトだった。流れに身を任せると計画していた以上にいいものを手に入れられることも多いと思う」
と語るマーサの言葉は、自然体で生きる大切さを改めて教えてくれた。

「恐怖でしかなかった」

2024年4月に第一子を出産したマーサ。10ヶ月間の妊娠期間は、彼女にとって沢山の葛藤を乗り越える期間でもあった。

「出産に対してすごく不安だったの。痛みをあまり経験してこなかったから痛みに対して恐怖心があった。まるで、何も知らずに深い海に飛び込むような感覚。」

出産はどんな人にとっても未知の世界で、誰しもが不安を感じるもの。その不安を少しでも和らげようと、出産を経験している人が勧める色んなことを試したと言う。

「ヨガや山登り、精神統一をするためにアイスバスや瞑想などと自分自身と向き合う時間を設けて色んなことを実践してみたけど、結局不安なんてなくならないんだよね。だってまだ経験してないんだもん」


10ヶ月ではこの恐怖を解消できなかったと、率直に話してくれた。
ではなぜ、助産院で自然分娩を決意したのか聞いてみると、彼女がお世話になっている整体の先生が教えてくれた一冊の本がきっかけだったという。

痛みへの不安。そして最初の出産を理想的な形で迎えたいという思い。そうした複雑な感情と向き合いながら、本に綴られた「自然分娩の素晴らしさ」に心を動かされ、少しずつ自信が湧いてきたと言う。

「結果出産に34時間もかかってしまったの。笑 今までこんな怖い思いしたことないから中々自分の身を委ねることが出来ず、すごく苦しかったんだけど、私の心は本当に感動でいっぱいだった。あの瞬間は、今でも忘れられない。
そして最初の出産を助産院で経験する事ができてよかったなと思う。自然体でありのままの自分を感じられたんだ。病院の無機質な病室ではなく産まれたばかりの息子と自然な状態で過ごせたの。
今こうして振り返ると、色んな医療がある中で、この時代に自然分娩に導かれたことに感謝してる。この時代じゃなかったら、この選択肢すらなかったかもしれない。それほど、私にとってはかけがえのない、特別な経験だったんだなって思うの。」


「一つの情報でしかない」

情報が溢れ、何でも手に入る時代。「情報」だけではすべてを理解できないということを、マーサは今回の出産を通して強く感じたと言う。

「出産後もいろんな人の体験談を聞いたり、本を読んだり、ネットで調べたりしたけど、試してみて分かったの。それって誰かの知識や経験であって、私のではないということ。実際に自分の子供には合わなかったり、私には負担だったりしたしね。」
彼女が言ったその言葉に、私は深く納得した。

「やっぱり、自分で体験しない限り、自分にも同じことが起きるかどうかなんて分からない。情報が全てではないということが、私にとって本当に大きな学びになった。」


マーサの経験をシェアしてもらう中で、改めて生きる上での本質的な部分について考えさせられた。
もちろん情報は役に立つ時もあれば、時には欠かせないもの。でもそれ以上に大切なことは、情報に振り回されずに本質を見抜く力を養うこと。そして自分自身の直感や選択に自信を持つこと。
何が良くて何が悪いのかー 答えなど存在しないのかもしれない。彼女の話を聞いていると、自分の感覚を研ぎ澄ませていくことがこの世を生きる鍵なのだろうと、考えさせられる。

10ヶ月になる息子を抱えながら、マタニティライフから出産までの経験を生き生きと話してくれたマーサ。出産後、彼女のライフスタイルはどのように変化したのか、その新鮮なコメントを聞くことができた。

(Organic cotton basic bra&shorts / tan sizeM)
(Organic cotton cardigan / mocha)

大人には作り出せないエネルギーを子供から常にもらえる

彼女が最初に話してくれたエネルギー的感覚。

「今まで知らなかったエネルギーに触れて、家族の勢いが強まった感じがしていて、私たちの関係にもすごくいい影響を与えているの。まずそれが子供が産まれてからの変化だったし、気づきだったかな。」

家族が加わることで当然ライフスタイルも変化する。今までとは異なる生活に彼女はどう対応したのだろうか。

 

「子育ては執着を手放す瞬間」

マーサにとって一番の挑戦でもあったと話す子育て。

「今まで一人でやってきたモデルのお仕事だったり、友達と遊ぶ時間やパートナーと居る時間が突然物理的に、取れなくなったから最初は動揺したけど、そこで学んだのは、あの時の自分への執着を手放すことが必要だと知ったの。手放すこと自体が大きなチャレンジだったよ。
だから、私たち夫婦で新しいことに挑戦してみたんだよね。」

マーサが話すのは、夫婦で始めた「チャイ屋」への挑戦。

「今までの自分を手放して新しい形で挑戦をしみたら今の私たちのライフスタイルにピッタリだったんだよね。」

新しい家族の形を作りながらも、変化を受け入れ、挑戦を恐れずに進んでいった彼女。
今後も常識に囚われ過ぎず、自分たちの生き方や感覚に自信を持って、チャイで多くの人を癒し、旅先やマーケットなどで出会う新たな繋がりに感謝して、自分たちらしい家族の在り方を築いていきたいと話してくれた。

彼女のビジョンは、まるで世界が一つの村のように、それぞれが自由に好きなことをして生きられるような環境を作ることだという。もっと大きな世界に目を向けている彼女の姿勢は、私たちにも大きなインスピレーションを与える。

マーサのこれからの歩みがとても楽しみだ。


Masako Endo
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Article and photos by Hinako Kanda

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